昭和初期の2階建ての風情がそのまま残されています。
2階の部屋からは中庭を望むことができ、隣に見える洋館建てとその背景には小高い山が借景として生かされています。
和館の玄関から入る

和館玄関から入ると長い廊下がありますが、古木の香りが漂ってくる癒しの空間の入り口です

このアングルは、和館の玄関に向かう直線の廊下です。
障子と向かい合わせの中庭側ガラス戸は、現在は見られなくなった貴重なものです

歴史を感じる褐色の階段には昔ながらの風情を感じます。
狭くもなく広くもなく程よい広さの階段ですが、違う世界つながっているような気もします。

階段を上ると一番上には大きな焼き物の壺があります。
この旅館のすぐそばには高浜寿芳窯があり、昔から陶器製造が盛んだった高浜の歴史を感じます。

2間つづきの和室ですが、広々とした空間に襖絵と和机がどっしりと据えられ、旅路の途中にここでゆったりと腰を下ろしてくつろぎたくなります。

縁側には座椅子が二脚おかれ、広々とした全面ガラスの窓からは、箱庭のような中庭を見下ろすことができます。

まさに昭和時代の旅館の窓の景色です。
車や電車の騒音もなく、昔ながらの静かな街中に囲まれた旅館の風情が沁みてきます。

2階の和室の階段を降りる時だけ目にする美しい飾りです。
見るからに昭和を感じるデザインです。

1階和室へ通じる廊下ですが、左側には男女別々のトイレがあります。
そして、その先の左側には風呂場があります。

床の間の掛け軸と置物です。
シンプルですが使っている部材は昭和初期の貴重なものを使っています。
落ち着きのある広々とした間取りが特徴です。

床の間の隣の壁の上に飾られている漢文の額縁です。
高浜地区には、笠さん、林さん、夏さんという、ご先祖が中国から移り住んで帰化した人たちの子孫の家があり、実際、東京より上海の方が近い距離にあります。

漢文の額縁の下にある飾り棚です。
昔ながらの温もりが感じられ、この館の置物もここに据えるとしっくりと落ち着く感があります。

この部屋は襖を外すと大広間になる和室です。
地元の人たちの宴会や同窓会、法事などで親しまれていた大切な場所です。